海について
食卓、釣り、水族館、ダイビング、飼育など。
日頃から魚に関わる機会はあると思います。
その食べている、見ている、釣っている魚たち。
みんな水中からやってきました🐟
中でも海からが多数を占めています。
より美味しく魚をいただく為、
元気な魚を見る為、
大物を釣ったりたくさん数を釣る為、
魚の資源保護をする為、
まずは魚が生息している海について詳しく知っていけば
それぞれ何かしらのヒントを得られるかもしれません。
というわけで今回のテーマは“海洋生態系”についてです。
海洋生態系
まずこのワードについての説明。
海洋:地球上の陸地以外の部分で、海水に満たされたところ
生態系:生産者・消費者・分解者・非生物的環境の4つから構成される「ある地域に住むすべての生物とその地域内の非生物的環境をひとまとめにし、主として物質循環やエネルギーの流れに注目して捉えた機能系」
海洋生態系:「海洋において環境と生物の間で物質循環やエネルギーが絶えず行き来している世界」
つまり、海水中に存在する大小様々な生物と海水自身の特性、それらと接する陸域、海底、大気がそれぞれに作用し成り立っているとても複雑な系です。
わかりやすくいうと、
太陽エネルギーから光合成する植物プランクトンを捕食する肉食性魚(動物プランクトン、小型〜大型魚など)の排泄物や死骸をバクテリアが分解し砂となる
海の中ではこのようなことも起こっており、
これらすべてに物質が循環していたり、エネルギーが絶えず流れている
といえばなんとなく海の世界のイメージがつくでしょうか。🐟
海洋環境
まずは海水の主要成分。
“しょっぱい”のイメージ通り塩分が溶け込んでいますが、
この塩分の主要元素はイオンの形で存在します。
最も多いイオンが
ナトリウム(Na+)、塩素(CL-)
です。
そして
カリウム(K+)、マグネシウム(Mg++)、カルシウム(Ca++)、ストロンチウム(Sr++)、
硫酸(SO4- -)、重炭酸(HCO3- -)、臭素(Br-)、ホウ酸(分子)(H3BO3)
など、
海水の主要な無機塩は80種以上、
微量無機塩は60種以上あります。
ちなみに今現在、海水は“しょっぱい”ですが、
地球が誕生し海ができた当初(45億年前)は“酸っぱい”だったとか。。。
当時、地表から噴出した多量のガスには、
水素、塩素、水蒸気などが含まれており、
なかでも水に溶けやすい性質を持つ塩素ガスは、
雨と一緒になって塩酸の雨として地表に降り海に溶け込んで行きました。
なのでこの時の海は強い酸性を示す“塩酸の海”でした。
その後何十億年もの歳月をかけて、
海中の岩石に含まれるカルシウムや鉄が溶け出し、海水と混ざることで
海水は酸性→中性→弱アルカリ性(現在:pH8.1)へと変化していったそうです。
海の沿岸部の区分
普段釣りをしたり潜ったりしているのは、一体海のどこなのか。
“沿岸”というワードを耳にしたことがあると思います。
実はこの“沿岸域”は、沿岸の地質的・生態学的・物理的要素・人間活動による沿岸海洋への影響の強度及び範囲、開発水準、社会システムなどによって大きく異なります。
つまり、国や地域・目的によって“沿岸”の範囲はバラバラです。
ここでは“海の沿岸部”について説明します。
まずは図を描いてみたのでご覧ください。
まず上記図の右側に注目してください。
“有光層”と“無光層”があります。
有光層:海洋で植物プランクトンや海藻などが光合成で生きていけるだけの光エネルギーが透入している部分。海の表面から透入した太陽エネルギーの可視放射(波長4000−700nm)の約1%が到達する水深まで。
「光合成層」、「基礎生産層」とも呼ばれる。
無光層:太陽光の届かない領域。
これらは150-200m辺りが境界となっています。
この情報から何が分かるかというと、
光合成のできる有光層には植物プランクトンが集います。
食物連鎖の関係から、それを捕食する動物プランクトン、小魚、中型魚、大型魚などが多く集まります。
私たちが普段、口にしたり耳にすることの多い水深は“有光層”ということです。
また一般的にいう深海魚は、無光層に生息する魚たちのことを指します。
水深200m程で太陽の光が海面の0.1%以下となり、暗黒の世界が広がっています。
陸地では目立つ赤色の体色を持つ魚が深海に多いイメージがあるのも、太陽エネルギーの可視放射が水中に透入することと関係があります。(光と色についてはまた別の記事で紹介します)
深海の水深約1000mでは水温が2-4℃と、とても冷たいです。
ちなみに海の平均水深は約3800mです。
まとめ
今回は結構難しい話となりました。
“海”と一言でいっても本当に広い世界。
そこには自然が生み出したすごい仕組みがあったり、、、
知れば知るほどおもしろい世界なんです🐟✨
まずは関わりの多い海域について、少しでも知っていただけると嬉しいです☺︎
コメント
水産学とても面白いですネ。お忙しいと思いますが続けて下さい。楽しみにしています。釣りの話も同じく。身体に気を付けて頑張ってください。応援してます。
ありがとうございます!
その言葉を励みに今後も更新頑張ります!