青物御三家とは?
『ブリ・ヒラマサ・カンパチ』
のことを指します。
同じブリ属の中でも特にこの3種は形態が似ていることから
“青物御三家”、“青物三兄弟”、“ブリ御三家”
などと呼ばれています🐟
では実際にこの3魚種は何が違うのか
まとめて比較したいと思います( •ᴗ• )✨
ブリ
名前:ブリ [スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属]
学名:Seriola quinqueradiata
英名:Japanese amberjack
寿命:7年程
最大サイズ:全長150cm、40kg
通常サイズ:全長100cm、8kg程
成長:尾叉長 1歳:30-45cm
2歳:55-70cm
3歳:70-80cm
4歳:80-90cm
5歳:85-95cm
側線鱗数:約210-220
食性:肉食性。小魚・甲殻類・頭足類。
分布:琉球列島を除く日本各地。朝鮮半島。
水深:やや沖合の水深100m程の中層〜底層(遊泳)
(生活圏は海底〜表層)
適水温:16〜20℃
〜12℃,24℃〜:ほとんど分布しない
ブリ:17℃ 最多
メジロ:18-19℃ 最多
産卵期:2~7月(南ほど早い)
水温20℃前後の温暖な海域にて。
卵:球形分離浮遊卵(直径1.2-1.4mm)。受精後48時間程で孵化。
1腹で約100万個を産卵。
✔︎ハイブリット(交雑種)
ブリヒラ(ブリ♀×ヒラマサ♂)、ヒラブリ(ヒラマサ♀×ブリ♂)
も天然・養殖 共に存在する。
ヒラマサ
名前:ヒラマサ [スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属]
学名:Seriola lalandi
英名:Yellowtail amberjack
寿命:10年程
最大サイズ:全長250cm、96.8kg
通常サイズ:全長100cm前後
成長:尾叉長 1歳:約40cm
2歳:約60cm
3歳:約80cm
4歳:約90cm〜
側線鱗数:約200
食性:肉食性。遊泳する小魚・甲殻類・頭足類。
分布:全世界の亜熱帯・温帯海域。(赤道付近の熱帯海域を除く)。
日本近海では北海道南部以南。
水深:沿岸・沖合の浅い海を好む
適水温:18〜23℃(ブリより高温を好む)
産卵期:4~8月(日本近海)。産卵水温は20℃前後。
卵:分離浮遊卵(直径1.3-1.5mm)。19℃で90時間、23℃で60時間前後で孵化。
1腹で約200万個を産卵。
✔︎ブリより成長早い。
✔︎3種の中で獲れる量は少なく最も知名度が低い。
✔︎養殖も少ない。
✔︎養殖ではこれらのハイブリット(交雑種)を作ることができる。
ブリヒラ(ブリ♀×ヒラマサ♂)
:ヒラマサよりも生育が早い。
ブリよりも奇形率が低い。
飼料効率が両親より優れている。
カンヒラ(カンパチ♀×ヒラマサ♂)
:水温耐性が両親より優れている。
飼料効率が両親より優れている。
カンパチ
名前:カンパチ [スズキ目スズキ亜目アジ科ブリ属]
学名:Seriola dumerili
英名:Greater amberjack
寿命:11年程
最大サイズ:全長190cm、80.6kg
通常サイズ:全長150cm
側線鱗数:約150
食性:肉食性。小魚・甲殻類・頭足類。
分布:南日本。東部太平洋を除く全世界の温帯、熱帯域。
水深:20-70m。南の海域では水深60-350mにも生息。
適水温:20〜30℃。
〜13℃:死亡
〜15℃,32℃〜:成長抑制
産卵期:3〜8月(温暖地域ほど早い)
卵:分離浮遊卵。
✔︎ブリ・ヒラマサよりも群が小さく、漁獲量が少ない。
✔︎ハイブリット(交雑種)
カンヒラ(カンパチ♀×ヒラマサ♂)
:水温耐性が両親より優れている。
飼料効率が両親より優れている。
それぞれの違いは?
まずはイラストをご覧ください( ¨̮ )
主に見分けやすい特徴をかいています。
🐟ブリ
◆側線(黄色い線)と胸ビレが重なっていない。
◆口の角が角張っている。
◆目から鰓蓋までの距離が長い(顔デカい)。
◆ヒラマサより丸みを帯びている。
◆腹ビレが白っぽい。
◆胸ビレが腹ビレよりも長いか同じ。
◆側線(黄色い線)にくっきりした境がないことが多い。
🐟ヒラマサ
◆側線(黄色い線)と胸ビレが重なっている。
◆口の角が少し丸い。
◆目から鰓蓋までの距離が短い(小顔)。
◆ブリ属の中でも最もシルエットが平たい。
◆腹ビレの黄色みが強い。
◆胸ビレが腹ビレよりも短い。
◆ブリよりも側線(黄色い線)がくっきり出ていることが多い。
🐟カンパチ
◆眉間の部分に八の字に見える暗色線がある(間八の由来)。
◆口先が丸く赤色を帯びている。
◆ブリやヒラマサよりもやや体高が高い。
沢山ポイントを述べましたが、
カンパチは頭の「八」模様でも簡単に判別できます。
ブリとヒラマサの見分け方について
私が一番見分けやすいなと思ったのは
”側線(黄色い線)に胸ビレが重なっているかどうか”、と
”腹ビレの色味”
の2点です(((っ・ω・)っ
ハイブリット(交雑種)について
ブリ属の中でも青物御三家と呼ばれる程似ている『ブリ・ヒラマサ・カンパチ』。
それだけ似ていたら、交雑するのでは!?と思うこともありますよね🐟
実はそれぞれに交雑は可能で、自然界でも自然交配し存在する交雑種も稀にいます。
交雑魚とは、異なる魚種の特質を受け継ぐ研究を行い、交配させることで、それぞれの魚種の良い部分を遺伝させた魚のことです。
また交雑種のことを”ハイブリット”といい、
A(♀メス) × B(♂オス)
の順で呼ばれます。
先ほどの『ブリ・ヒラマサ・カンパチ』それぞれの説明の中でもチラッと記載しましたが
実際に交雑することで何が良くなったのか??
中でも近大で研究・開発された交雑魚を一部ピックアップしご紹介します( ¨̮ )⭐️
ブリヒラ(ブリ♀×ヒラマサ♂)
:1970年に近畿大学水産研究所が開発。
ブリの脂やうまみの強さとヒラマサの歯ごたえの良さを併せ持つ。
ヒラブリ(ヒラマサ♀×ブリ♂)
:ヒラマサとブリの旨味を持つ、上品な味わい。
「ブリヒラ」に比べ、透明感があり歯ごたえが非常に良い。
カンヒラ(カンパチ♀×ヒラマサ♂)
:コラーゲン含有量がブリ・カンパチよりも高い。
身の歯応え改善。
(ヒラマサは身は硬いが脂ののりが悪い。カンパチはヒラマサに似るが身がやや軟らかい。)
想像するだけでそそられます…🤤
飲食店『近畿大学水産研究所(グランフロント大阪店・銀座店)』や
一部スーパーでも、期間・数量限定発売されていることがあるので
是非チェックしてみてください(。•̀ω-)و
まとめ
天然から養殖まで、
これで皆さんも青物御三家マスターですねψ(`∇´)ψ✨
正直私も実際に釣るまで、文字でしか違いがわかっていませんでした。
けど色々と知識を持って釣ってみると、
「あぁ!こうゆうことか!💡」と確信に変わり、魚への理解も深まり、
全てのことが繋がってさらに楽しく感じています(*^◯^*)
釣って楽しい、見て楽しい、食べて楽しい、
贅沢な楽しみ方ですね…(*゚ー゚*)❤︎
ありがとう、魚!!!🐟
完。
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